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第2章 バングラデシュ国の政治経済情勢と開発計画



2.4 我が国との関係

2.4.1 要人往来

1990年に海部首相(当時)がバングラデシュ国を訪問、1997年にはハシナ前首相が訪日、1998年および2000年にはアザド前外務大臣が来日、さらに2000年に森前首相がバングラデシュ国を訪問するなど、要人往来は盛んに行われている。

2.4.2 日本とバングラデシュ国間の貿易

2000年における日本のバングラデシュ国に対する輸出額は約509億円であるのに対して、同輸入は約126億円となり、約382億の黒字となった。日本とバングラデシュ国間の貿易は相変わらず日本の黒字が継続している状況が続いており、改善されるどころか、黒字幅は増大傾向にある。

表2-4-1 日本とバングラデシュ国間の貿易 (単位:100万円)

  1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000
1 日本の輸出(FOB) 34,230 32,633 37,658 38,541 42,116 36,696 50,919
2 日本の輸入(CIF) 9,265 13,676 15,623 15,690 14,906 13,008 12,632
3 貿易収支 24,965 18,957 22,035 22,851 27,210 23,688 38,287
出典:通商白書各年版


表2-4-2 日本とバングラデシュ国間の品目別貿易(単位:100万円)

年 度 1998 1999 2000
I 輸出 42,116 36,696 50,919
  繊維 2,718 2,959 3,121
化学品 3,197 2,644 2,800
金属品 8,289 10,431 14,076
機械機器 23,461 17,593 27,831
電気機械 3,510 5,007 4,308
輸送機械 9,094 6,189 9,631
II.輸入 14,906 13,008 12,632
  食料品 4,916 5,096 3,497
 内、エビ 4,731 5,007 3,445
機械機器 1,353 1,377 1,310
繊維製品 4,644 3,131 3,302
革靴 614 624 1,153
III .貿易収支 -5,812 -6,819 -3,001
出典:通商白書各年版


日本の経常貿易黒字傾向、すなわちバングラデシュ国の対日貿易赤字構造の原因は、両国の産業構造に依存する。バングラデシュ国の工業化の水準は初期段階にあるため、化学品、鉄鋼や金属製品といった素材関係、機械機器、輸送機械を輸入に依存しなくてはならないと同時に、主要輸出品の縫製品といえども人造繊維、織物用糸、織物といった繊維品を輸入せざるを得ない。反面、バングラデシュ国の対日主要輸出品はエビや低廉労働を利用した繊維製品で構成されている。近年では精密機械や半導体等の電子部品(機械機器に含まれる)が対日輸出の1割(2000年)程度を占めるようになってきたことは特質に値する。

2.4.3  日本の対バングラデシュ直接投資

1997年7月にハシナ前首相が訪日した際に、投資保護協定が両国間で合意に至り、さらに10月には東京で定例の「第9回日本・バングラデシュ国商業経済協力合同委員会」が開催され、貿易投資を中心に両国間の積極的な協力を推進していくことで閉幕した。

財務省の届け出ベースの集計によれば、日本の対バングラデシュ直接投資は1951年~2000年の累計で約237億円にのぼる。業種別には製造業で44件にて約207億円、水産業などの非製造業で8件にて約20億円である。

表2-4-3 日本の対バングラデシュ直接投資:届け出ベース(単位:100万円)

  1994 1995 1996 1997 1998 1999 1951-2000
件数 1 3 3 2 - - 53
金額 171 75 1,197 756 437 - 23,733


表2-4-4 日本の対バングラデシュ直接投資業種別内訳(単位:100万円)

1991-00年度累計 件数 金額
I.製造業 44 20,792
  繊維 9 1,389
化学 6 12,610
鉄・非鉄 4 557
機械 3 540
電機 4 1,081
輸送機 6 419
その他 13 5,095
II.非製造業 8 2,038
  水産業 6 1,448
サービス 1 3
運輸業 1 586
III 支店設置 - -
IV .不動産 - -
V.累計 52 2,273
出典:財務省、財政金融統計月報


バングラデシュ国投資局(BOI)によれば、2000年8月現在における日本企業のダッカおよびチッタゴンの輸出加工区(EPZ)進出は累計で28社、6,061万USドルにのぼり、韓国、バングラデシュ国自身に次ぐ第3位となっている。カメラ用レンズ研磨、液晶表示板製造自動車部品など、安価な労働を利用した日本向け組立て・加工製造業が主だった進出業種である。

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